都立学校ICT巡回支援事業 様

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教育用コンテンツのファイルサイズを最大9割削減

東京都では、教員が作成した教育用コンテンツを共有して、相互に教材を開発することで、分かりやすい授業を実施し、児童・生徒の学力向上を図っている。サーバーを介したコンテンツの共有、活用を促す上で課題となっていたファイルサイズの削減を、シンプルに解決したのがFILEminimizer Officeである。

使用アプリケーション:FILEminimizer Suite 7

ファイル形式を変更することなく、容量だけ削減できるソリューションを検討

写真や図版を使った「わかりやすいコンテンツ」の作成とサーバー環境の制限という2つの要件にどう対処するか

東京都は、2009年度(2010年3月導入)までに全ての都立学校に校内LANを整備することを目指して計画を実施し、その目標は無事に達成された。環境が整ったことを受けて現場に多くのICT機器が導入されると共に、都でも専用のサーバーを設けて、学校の授業などで用いられる教育用コンテンツの共有を支援している。

このサーバーはアップロードできるファイルサイズを最大10MB(以前は2MB)に制限しており、作成したもののアップロードできないコンテンツが相応にあったとのこと。特に写真や図版を貼り込んだものは、デジタルカメラやスキャナーの高画質化に伴ってファイルサイズの増加が著しく、コンテンツの作成・共有と、サーバー側要件の順守を両立するために、現場の教職員は色々工夫を重ねていたという。

現場を訪れて教職員のICT運用をサポートする都立学校スタッフの一人、佐藤中正氏は次のように話す。

「コンテンツの多くは、プレゼンテーションソフトのMicrosoft PowerPointを使って教職員が作成しています。撮影した写真やスキャンした画像は、そのままPowerPointに貼り付けて利用することがほとんどなので、当然ファイルサイズは大きくなり、サーバーへアップロードできません。せっかく作成しても、コンテンツの共有が困難になっていたのです。」

FILEminimizer Officeでファイルサイズを大幅削減。
普段のファイルをそのまま共有、活用可能に。

ファイルを圧縮すれば、サイズを小さくすることはできる。しかし、圧縮/伸長用のソフトウェアを別途用意する必要があること、その利用法や圧縮ファイル形式に関する知識が各々の教職員に求められることが懸案になったという。そこで、ファイル形式を変更することなく、容量だけ削減できるシンプルでわかりやすいソリューションを検討した結果、採用されたのが「FILEminimizer Office」である。

FILEminimizer Officeを使うと、Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint)のファイルに含まれる画像を最適化して、最大9割強の容量削減が行える。一般的な圧縮/伸長ソフトと違い、受け取る側で改めて復元する必要がなく、普段使っているファイル形式のままやり取りできることも特徴だ。これにより、共有サーバーへのアップロードや、ダウンロード後のコンテンツ利用がスムーズになったと、支援スタッフの林靖久氏は話す。

「作成したら12MBほどになったコンテンツをアップロードしたいと悩んでいる先生がいたのですが、FILEminimizer Officeを使ったら1.4MBまで削減できました。これで無事アップロードでき、共有できるようになったのです。」

また、PCに保存するファイル容量の削減にも効果を発揮していると、支援スタッフの阿部隆夫氏は話す。

「各校の先生方に見せるために、CD-ROMで提供されるデータをPCに保存して持ち歩いています。これまではファイルサイズが大きくて、多くのデータを扱えませんでしたが、FILEminimizer Officeを使ったら1割程度まで容量を減らせました。複数のファイルを一括処理できるので、とても便利ですね。大量のコンテンツを持ち運べるようになり、満足しています。」

見た目の画質には大きな影響はなく実用十分なレベル。
メールやインフラの負担も削減できるのはメリット。

実際に使ってみるまでは、写真や画像を最適化することで画質が劣化するのではないかという懸念もあったという。林氏は、その点についてもFILEminimizer Officeは十分実用的だと話す。

「画質が落ちたという印象はありません。授業中にコンテンツの一部を拡大して見せることもありますが、まったく支障はないですね。」

ファイルサイズの最適化は、メールの送受信でも効果がある。FILEminimizer OfficeはメールソフトMicrosoft Outlookのアドインとして利用でき、添付ファイルを意識せずに最適化して容量を減らせる。プロバイダの制限などで受信容量が限られているユーザーとのやり取りでも支障が起き難くなるほか、送受信の時間短縮、メールサーバーやネットワーク全体への負荷抑制といった、ICT環境の運用全般におけるメリットは大きい。

「インストールさえしておけば、意識しなくてもそのまま使えるのがいいですね」と、佐藤氏はシンプルな使い勝手を評価している。

シンプルで、効果がすぐわかる有益なソフトウェア。
今後の活用、導入の拡大に期待。

FILEminimizer Officeは、改めて使い方の説明や教育を行わなくても、いったんインストールしてしまえばすぐに効果が得られ、シンプルかつわかりやすいという点で、支援スタッフの三氏だけでなく現場からも高く評価されているという。最適化された後のファイルは特別な処理をすることなく、そのままアプリケーションで自由に編集できるので、これまでの運用フローを変える必要もない。見た目には画質の影響もほとんどないことから、今後さらに活用が進むものと期待されている。

取材に応じてくれた支援スタッフの三氏は、最後に次のように話してくれた。

「FILEminimizer Officeは、効果がわかりやすく、使い勝手も上々です。学校で利用する際は申請などが必要になりますが、非常に有益なソフトウェアなので、ぜひ導入を検討して欲しいと思います。」